新保

広大
しんぼ
   こうだいじ

最終更新日 2004/05/05

鶴嶺山新保広大禅寺は曹洞宗の寺院で、
開山は西暦1488年です。
この寺院は民謡「新保広大寺」で有名になるわけですが、
この「新保広大寺」という曲は、実は新保広大寺にとっては
嬉しくない内容です。

寛永6年に信濃川が洪水によって川筋がかわり、
中洲が出現したことから、中洲をめぐり耕作権争いが起こります。
一方の上ノ島新田側には大地主・最上屋がつき、
もう一方の寺島新田側には新保広大寺14代白岩亮端和尚が
後押しする形となります。
最上屋は、白岩和尚のスキャンダル唄を作って世間に歌わせ、
和尚を失脚させるネガティブ作戦を実行します。
それが「新保広大寺」です。
「新保広大寺」は越後瞽女や飴屋が全国各地で唄い、
結果的にはこの曲に期待された使命とは
別の形で流行します。
例えばこの曲が「八木節」「津軽じょんがら節」
「道南口説」「鱈釣り唄」や神楽などに発展
することとなり、ハイヤ節、追分、出雲節
などのように民謡史に貢献します。

こうなってくると、「新保広大寺」は
文化的に重要な楽曲となるわけで、
現在保存会が保存に努めています。
広大寺も何とも懐が広く、
保存に力を貸しておられます。

「新保廣大寺」
竹内勉 著
錦正社
「じょんがらと越後瞽女寺」
竹内勉 著
本阿弥書店

『名人による日本の伝統芸』
杉本キクイ 唄・演奏
キング

『つるとかめ』

澤田勝秋・木津茂理
ビクター

十日町 下組

 越後の歴史探訪観光案内所